英検1級の問題でも内容によって大きく得点が上下するのがライティング問題ではないでしょうか。配点としてはCSEスコアが850点も割り当てられており、1次試験の三分の一がライティングに占められています。かなりの割合ですよね。ということで英検1級の作文問題はきちんと対策を行って合格を目指しましょう。
英検1級の作文問題
英検1級の作文問題は与えられたトピックに200~240ワードで意見を述べるというものです。エッセイの中で3つ理由を述べることと、イントロ、ボディー、コンクルージョンの3段構成になっている必要があります。ライティングに関しては筆記体で書いても、ブロック体で書いても問題ありません。時間配分はおおよそ25分ぐらいを目安にするとよいでしょう。
配点としてはCSEスコアで850点ですが、素数では32点の配分があります。それらがCSEスコアへ換算されて合否が決まります。
トピック
与えられるトピックは社会問題や国際関係、政治など幅広いジャンルになっています。近年の傾向としては、「Agree or Disagree」で賛否を述べるものが多くなっています。
例えば2018年度第1回試験では下記のような問題が出題されました。
Agree or disagree: Japan will benefit overall from hosing the 2020 Summer Olympics ―英検協会 2018年度第1回試験過去問
このように時事問題に関する問題も出てくるため、日ごろから英字ニュースを読むなどし語彙や知識を身に着けておくことが大切になります。
策方法対
対策方法はいくつかありますが、まず基礎的なところから入ると、前述したように序論(イントロ)、本論(ボディー)、結論(コンクルージョン)といった3段構成で記述する必要があります。日本ではパラグラフについてあまり学ぶ機会はありませんが、英語のエッセイではきちんとパラグラフごとに一つのまとまりになってる必要があります。
詳しい英文ライティングの方法やおすすめの参考書については別途記事にしてあります。パラグラフライティングってなに?という方は、英検1級受験の前に一度こちらを確認して知識をつけるようにしてください。
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オススメ英語学習参考書ーエッセイライティング
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メモを取る
英検の作文問題では賛否を問われる問題が多く出題されます。合格への近道は作文を始める前に、メモを取ることです。賛否を問われる問題であれば、賛否両者でサポートするポイントを書き出してみてください。そのうえで、自分の知識に照らし合わせ、記述しやすい意見で作文を書きましょう。必ずしも自分の意見でなくても、英作文として完成していれば得点は取れます。
例えば、先ほどの問題を例に挙げると、
賛成意見 |
|
反対意見 |
|
上記のようになります。上記のようなメモを1~3分ぐらいで書くようにしましょう。その後、メモで上げた意見一つに対し、一つのパラグラフといった形でエッセイを書いていきます。
イントロ・コンクルージョンは同じ内容
序章と結論は基本的に同じ内容になります。序章で軽く一般的な知識を述べ、ボディーで詳細意見を書き、結論でまとめ、イントロで述べたことを別の言葉に置き換える作業を行います。これに関してはパラフレーズといって同じ単語を別の単語で表現する練習などで力をつけることができます。
詳しくは上で紹介したエッセイライティングのページを読んでみてください。
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使える表現
エッセイライティングではある程度決まったフレーズが多様されます。したがって、表現方法を覚えておけばそれだけでエッセイライティングの形は出来上がってしまうのです。ということで、ここではいくつかエッセイライティングで使える表現を紹介します。
表現 | 意味 | 使い方 |
Although / Though | Aはこうであるが、Bは~である | イントロやコンクルージョンで意見を述べるときに使う。~だけれど、私は~考える、など |
However | しかしながら | 反対意見を述べるときに使う |
While | Althoughと同じような用法 | 接続詞として使う |
As ~ | ~に連れて、~となった | Bodyでの意見をサポートするときなどに使う。~が増えてきて、環境問題が引き起こされたなど。 |
添削サービスを利用
上記のポイントを踏まえたうえで、あとは添削サービスを使って自身の英文を客観的に見てもらいましょう。学生の方であれば、大学の英語教師などに見てもらうことも可能かもしれません。しかし、多くの場合なかなかそう簡単にただで添削してもらうことはできないでしょう。
そこでおすすめするのが、オンライン英文添削サービスです。検索すればいくつか出てくるかと思いますが、IDIYの英文添削サービスは安くておすすめです。特に初めてエッセイを書くという方は、自分では知識として書き方を身に着けているつもりでも、実際には日本人的なエッセイになってしまうことが多いです。はじめのうちは添削サービスを利用し、徐々に自分で添削できる力をつけていきましょう。
参考書
英検1級作文問題の対策でおすすめの参考書は旺文社の「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題 改訂版」です。これはサンプルトピックが多く載っているので、様々な分野の問題を多く解くことができます。英検1級のエッセイ問題はトピックが1つですので、自分の苦手なトピックが出たら作文できない、というのではいけません。どんなトピックでも対応できるよう、こちらの参考書を使って知識を広げるようにしましょう。また、例文も入っているため参考にしつつ、自分の力をつけることが可能です。
このほかにも2016年に発売された、ジャパンタイムズの発行する「最短合格!英検1級 英作文問題完全制覇」もおすすめの参考書になっています。掲載されているトピックは、
- 現代日本社会
- 人権
- 犯罪
- 世界の問題
- 戦争・核兵器・テロリズム
- 世界経済
- 世界の中の日本
- 環境保護
- 教育・文化・スポーツ
- テクノロジー
- 医療・生命倫理
- 経済・ビジネス
上記の通り、非常に多彩な分野の問題が掲載されています。また、なんといっても音声ファイルをMP3でダウンロードできますので、1次試験の作文だけでなく2次試験対策にも活用することができてしまいます。英検の作文対策としてはぜひそろえておきたい1冊ですね。
さらに高得点を目指すには
基本的な点を抑えておけば、作文問題で半分以上は取ることが可能です。素数で20点ぐらいまではそこまで難しくはありません。しかし、さらに上を目指すにはさらにしっかりした英作文を書く必要が出てきます。すでに1度合格しているけれど、さらに上を目指したいという場合はこちらを参考にしてみてください。
英文のレトリックを身に着ける
英作文の日本語での作文は構成が違うのはもちろんですが、テキストの書き方も異なります。よく日本人は「~と思います」といった表現を使いますが、これは英語的にはよくありません。したがって、I think という表現は極力避けるようにしましょう。
また、主語が自分(I, my, me, mine)の分はエッセイとしてはよくありません。意見を聞かれているものなので、使わないということは難しいですが、極力避けるようにし、使うとしても、イントロかコンクルージョンだけにとどめるようにしましょう。Bodyで I believe やI argue といった表現では意見が弱くなってしまいます。高得点を狙うというのであれば、こういった点にも注意をしてみるとよいでしょう。
文法
そして高得点を狙うのに必要なのが、当然ではありますが正しい文法で書くことです。英検1級を受験するぐらいですので、基本的な文法はできているはずです。しかし、英文法は奥が深く、完ぺきを目指すのは非常に難しいのです。可算名詞や不可算名詞、複数か単数かなど、基礎的なことではあるのですが、意外と落としがちなところでもありますので再度見直してみると良いでしょう。
まとめ
ここでは英検1級エッセイ問題の対策について書きました。対策としては、1.エッセイの構成を理解する、2.知識をつける、3.文法を正確に、といった形になります。しかし、すべてのことにおいて量は大切になります。日々英字ニュースなどで知識をつけるとともに、様々なトピックへのエッセイを日々書くよう心掛けると、自然と力もついてくるでしょう。
エッセイを書く力がつけば、英検1級だけでなくTOEFLやIELTSなどの試験にも対応できるようになります。また英語圏の人との文書のやり取りが楽になることは間違いありません。エッセイライティングは重要なスキルですので、きちんと学習し、習得するようにしましょう。