英語学習者にオススメの資格シリーズ最後は英語検定です。日本人であれば誰しもが聞いたことはある試験かと思います。最近でこそTOEICに押され気味になってきていますが、英検にはTOEICやTOEFLにはない利点もあります。また、近年変化する国際情勢への対応やTOEICへの対抗として英検のリニューアルが行われ、以前にもまして英語力の照明には有効な試験となってきています。特に英検はレベル別で試験が行われるので、変にプレッシャーを感じる必要もないですし、難しい問題に直面してテンパって本来の力が発揮できないということもないので英語学習初心者にとってはとってもおすすめの試験です。
それでは英検のメリットをTOEICなどと比較しながら詳しく見ていきましょう。
難易度別試験
まずTOEICやTOEFL、IELTSにない利点としては難易度別試験というのがあげられます。TOEICなどの試験はスコアで実力を判断するため、初心者から熟練者まで一緒に受験します。そのため、到底わかるはずのない難易度の問題も必然的に解く必要が出てきてしまうのです。そのため、時間はもちろん労力を要しますし、なによりも疲労感が半端ありません。反対に英検は難易度別で試験が行われます。そのため、難しい問題でストレスを感じることもないですし、解けなかった場合、自分自身の弱点がわかりやすいという利点もあります。多少背伸びをして上の級を受験するのもよいですが、自分自身のレベルにあった試験を受け、「合格」をすることで自信にもつながります。
英検は下は5級から、上は1級まで全部で7段階にレベルわけがされています。級別英語レベルについては下のテーブルを参照ください。
1級 | 大学上級程度(英語専門学科) |
準1級 | 大学中級程度(英語専門学科) |
2級 | 高校卒業程度 |
準2級 | 高校中級程度 |
3級 | 中学卒業程度 |
4級 | 中学中級程度 |
5級 | 中学初級程度 |
上記はあくまでも目安ですが、非常に良い参考になるでしょう。なお、それでも受験前に自分自身のレベルに心配のある方は英検のサイトから、バーチャル試験をオンラインで受けることができます。
英検はレベル別に分かれているので、試験対策がしやすいですし、何よりも長年実施されているので参考書に困ることはありません。1級レベルになると少々参考書が少なくなってきますが、それでも豊富に参考書がそろっているので自分に合った参考書を見つけることができるでしょう。
コスト面
次に、コスト面です。平成28年に料金改定が行われ、値上げになってしまいましたが、それでもIELTS(25,380円)やTOEFL iBT(235ドル=約25,000円)に比べると断然安いものです。
1級 | 8,400円 |
準1級 | 6,900円 |
2級 | 5,800円(TOEIC 5,725円) |
準2級 | 5,200円 |
3級 | 3,800円 |
4級 | 2,600円 |
5級 | 2,500円 |
※2018年8月現在、すべて税込み 参照:英検検定料
TOEICの受験が5,725円ですので、2級レベルまでは英検のほうがお得ということになります。実際レベル的にも英検準2級レベルないとTOEICは厳しいかもしれないので、このレベルに達するまでは英検で力をつけるのもよいかと思います。また、英検はTOEICと異なり、4技能(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)を測定しますので、そう考えると1級の8,400円も安いかもしれません。
内容面
次に内容面ですが、英検は日本の試験というだけありやはり全体的に文法問題が重要となってきます。特に5級、4級は短文穴埋め問題とは別に、文法問題が出題されますので、基本的な文法は固めておく必要があるでしょう。内容としては3級までは日常生活で使う英語がメインとなります。準2級から若干教育分野などにも入り、2級、準1級はビジネスレベルの英語が要求されるようになります。
準1級、1級に関しては内容がTOEICとは異なり、非常に興味深い試験となっています。通常の英字新聞からの抜粋や、教育現場で使われるような歴史や社会問題などが多く含まれるようになります。人によって好みは分かれるかもしれませんが、英検の勉強は「英語」の勉強だけでなく、同時に科学や社会の勉強もできるのが楽しいところです。
特に1級に関しては、非常にレベルが高く、場合によってはTOEICよりも難しい内容の物が出てきます。最近は若干医療分野の問題が多くなる傾向があるようですが、非常に有意義な試験です。
なお、細かい試験の内容については英検協会に各級の目安が載っているのでそちらも参考にしてみてください。
リニューアル
近年、英検協会はTOEICとの差別化やグローバル社会へ対応するため、試験内容の刷新を図っています。CSEスコアの導入と、4技能化がメインですが、それ以外にもCBT化(パソコンでの受験)も進めています。CBT化については別に記事を書いていますので、そちらも参照ください。
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CSEスコア
刷新内容の一つがCSEスコアです。これはTOEICやTOEFLのように、合否だけではなく、英語力を数値化することで自分のレベルがより具体的にわかるようにするというものです。もちろん今まで通り、レベル別合否は出ますが、合格したからといって満点で合格する人と、ぎりぎり合格する人とでは差が出てしまいます。そのため、CSEスコアを利用することで、合格後、すぐに上のレベルを目指せるのか、もう少し同レベルを固めるべきなのかが客観的に判断できるようになりました。
また、CSEスコアは国際標準規格CEFRにも対応しているため、日本で受験した英検のCSEスコアを使って海外でも活躍しやすくなりました。
英検のCSEスコアについては、英検ホームページで詳しく紹介されているのでそちらも参考にしてみてください。
4技能化
CSEスコアの導入に並んで大きな刷新であったのが4技能化です。以前までは英検は面接試験は3級から、作文問題は2級から導入されていました。しかし、刷新後はライティングは3級から導入され、スピーキングに関しては希望者のみですが5級から受験できるようになりました。このため、英語を勉強し始めたけれど、スピーキング能力を測定してみたい!といった場合、気軽に5級からスピーキング能力を図ることが可能になったのです。
これは刷新前からとなりますが、1級に至ってはライティングはエッセイ、スピーキングはショートスピーチといったより高度な知識と能力が要求される試験になっています。
まとめ
英検は日本で最も長く、そして多くの人に親しまれてきている試験ではないでしょうか。最近企業などでは英検よりもTOEICのスコアを重視する傾向がありますが、総合力といったところではまだまだ英検に軍配が上がるのではないでしょうか。個人的な感覚として、英検のほうが時間的余裕があるため、実践的な面では少し劣る部分があるのかもしれないと感じています。しかし、TOEICでは測れないスピーキングやライティングも同時に図れますので、非常におすすめの試験です。
英検、TOEIC、TOEFLの利点などを比較した記事を書きましたので、そちらも併せて参照いただけると幸いです。
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主な英語資格比較まとめ
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