この記事は漢語水平考試 HSK 6級の内容、難易度、勉強方法を知りたい方へお勧めの記事になっています。
皆さんこんにちは。初めまして、Lainaiです。私は2015年9月から中国重慶市へ1年弱留学をしていました。留学中にHSK 5級に合格(300点中270点)し、帰国後最高難易度である6級に合格しました。6級は高い語彙力と読解速度、そして記憶力が必要とされるため、5級と比べるとかなり難しかったです。
とはいえ、しっかりとHSK 6級の特徴を捉え、対策を行えば無事合格することは可能です。私は2016年12月に紙ベースで受験し、無事合格することができました。ということで、今回はHSK 6級の詳細内容と6級に沿った勉強方法について解説していきます。
HSK 6級はこんな試験
- CEFR C2レベル(公式発表、様々な議論あり)
- リスニング、読解、作文の3技能
- 全50問、150分間
- 必要語彙数は約5,000語
- 勉強時間は350~450時間
HSK 6級ってどんな試験?
HSK 6級は中国政府公認の中国語試験で、中国本土への留学や就職を考えている場合、HSK での中国語能力照明が必要となります。HSK 6級はその中でも最高難易度とされ、公式サイトによれば、国際基準CEFRで最高レベルのC2、中国語検定2級レベルとされています。これには様々な意見があり、実際にはCEFR C2レベルにはないとの意見もありますが、難易度が高いことは事実です。
合格率 | 非公表 |
難易度 | 最高難易度(CEFR C2レベル?) |
勉強時間 | 350~450時間 |
合格点 | 180点(6割以上)※2013年よりスコア制 |
単語数 | 5,000語以上 |
試験時間 | 150分 |
試験科目 | 話すを除く3技能(聞く・読む・書く) |
さらに詳しく
ちなみにHSK 6級は2013年まで合格基準が180点でしたが、2013年以降、合否判断が廃止されTOEICやTOEFLのようにスコア評価となりました。合否判断は廃止されましたが、引き続きHSK 6級レベルといった場合、以前の合格基準であった180点以上を求める大学や企業が多いです。
HSKのレベルとCEFR、中国語検定などのレベルに関する議論については別記事でまとめていますので合わせて確認してみてください。
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公式サイトの説明では、HSK 6級のレベルを次のように説明しています。
HSK 6級は受験生の日常中国語の応用能力を判定する試験で、「中国語の音声情報や文字情報を不自由なく理解することができ、自分の意見や見解を流ちょうな中国語で高騰または書面にて表現することができる」ことが求められる。
ちょっとわかりづらいですが、なんだかかなりの難しさが予想されますね。。。でも大丈夫です。問題の傾向を押さえれば、決して合格できない試験ではありません。
HSK 6級の試験は150分、全101題から構成され、問題構成は、1.听力(リスニング)、2.阅读(読解・リーディング)、3.写作(筆記・作文)の3部からなります。配点はそれぞれ100点ずつ。300点満点の試験です。それではHSK 6級の難易度と攻略方法を詳しく見ていきましょう。
HSK6級の難易度と勉強時間
HSK 6級は前述したように新HSKの中では最も難易度の高い試験です。6級合格に必要な勉強時間は350時間から450時間程度とされています。ちょっとピンとこないですが、京都外国語大学の記事によれば、HSK 5級が中国語を第一外国語として習得した場合の4年次終了レベル(京都外国語大学)ですので、HSK 6級はそのさらに上の難易度ということになります。
合格に必要な語彙数もHSK 5級がおおよそ2,500語とされているのに対し、HSK 6級はその倍の5,000語以上が必要とされています。これだけでもその難易度が高いことがわかりますね。また、世界大学ランクにもランクインする北京大学へ留学するための語学要件としてHSK 6級200点以上(理学・工学)が要求されてるなど、HSK 6級のレベルが非常に高いことがわかります。
しかし、決して難しい試験ではなく、しっかり勉強すれば大学4年間で習得することは可能ですし、留学などを経験すればゼロからの学習でも2年間で合格することも可能ですし、努力次第ではさらなる短期間での習得も可能でしょう。
独自に行った調査では中国へ長期留学(1年)した場合、HSK 5級はもちろん、一部でHSK 6級の取得者もちらほら出てきました。2年以上の留学となるとHSK 6級の習得率も非常に高くなりましたので、長期留学すればHSK 6級も決して難しい試験ではないということがわかります。
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HSK 6級セクションごとの攻略法
HSK 6級各セクションの細かい勉強方法については、それぞれ記事にしていますが、ここでは全体的な勉強方法を解説していきます。
HSK 6級の構成は前述したとおり、三部門(リスニング、読解、作文)で構成され、全101問、150分間の試験になっています。リスニング音声は1度しか流されませんので、中国語検定などに慣れている場合、戸惑うかもしれません。
リスニングセクションの攻略方法
まず初めにリスニング試験です。リスニングセクションは全50題、35分間の試験です。リスニング試験は始まってしまえば一瞬で終わってしまいます。焦らず、問題をよく見てどんな話が始まりそうか予想しながら聞き取りましょう。わからない単語があっても、問題を聞き流してOK。次のヒントが聞き取れるまで落ち着いて待ちましょう。
リスニングセクションは第一部分、第二部分、第三部分の三部構成となっています。音声はすべて一回しか流されませんので集中して聞き取るようにしましょう。
第二部分はインタビューを聞いて正しい回答を選択するという問題です。ポイントを押さえて聞き取れば大丈夫です。ここでのポイントは主に下記の3点を聞き取れることです。
- 誰がインタビューを受けているのか
- インタビュアーはなぜその人にインタビューをしているのか
- インタビュアーの質問に対する回答
いわゆる5W1Hです。基本的にこのポイントを押さえておけばかなりの問題は解くことができます。
インタビューの対象は、作家や政治家、漫画家などいろいろです。過去問をたくさん解いて問題傾向に慣れていきましょう!
第三部分は、第一、第二部分に比べて話が長くなり、なおかつ専門的なワードが含まれることが多いので難しく感じますが、聞き取れない単語があったとしても、その前後の内容から単語の意味を推測することを心掛けましょう。こちらも過去問をたくさん解いて、問題傾向になれることで対策は可能です。
ということで、リスニング全般に言えることですが、わからない単語が流れても考えすぎないこと。「ん?」となっているうちにもどんどん話は進んでいきます。そこで聞き取れるはずだったヒントを聞き逃してはもったいない。気持ちを切り替え、しっかり耳は働かせておきましょう!
読解セクションの攻略方法
次に読解問題に関して解説していきます。読解セクションは全部で50題、試験時間は50分です。
時間がかなりタイトなので、わからない問題は深く考えすぎず、テンポよく解答していきましょう。日本人にとってこの読解パートは得点の稼ぎどころです!
第一部分は、文法や語句が誤っている文を4つの選択肢から選ぶというものです。語感が問われる問題ですが、私の解き方は、心の中で問題を読んでみて、少しでもひっかかりのあるものを選択していました。といっても、実際、中国人の友人でも間違えてしまうことがあるこのパート。もし自信がなければ、適当に選んで他のパートに時間をまわしましょう!
第二部分は、問題文の空欄部分に4つの選択肢から適切な単語の組み合わせを補って意味のとおる文章を作るというもの。
例えば下のような問題、
1978年12月8日,中国共产党十一届三中全会隆重 。这次会议开启了中国改革开放历史新 。从此,中国各族人民在新的历史 下开始了新的伟大大革命。
A 开幕 时代 标准
B 召开 时期 条件
C 会议 时候 情况
D 举行 时光 要求杨潘,陆瑛著『新汉语水平考试HSK6级解题宝典』北京语言大学出版社、p10より引用
ぱっと見よく似た意味の単語が並んでいますね。日本語の意味に惑わされないためにも、よく見て解答することが大切です。
第三部分は、第二部分の文章補充バージョンです。前後の文章が理解できれば解答できるため、第二部分よりも簡単に思えます。「ひと段落読んで解答→ひと段落読んで解答」という流れで解いていけばスムーズで、なおかつ正確に解答できるようになりますよ。
第四部分は、長文を読んで、その内容に関する問いに答えていくというもの。だいたいひと段落ごとに問題が用意されているので、こちらも第三部分と同じく、「ひと段落読んで解答→ひと段落読んで解答」という流れを心掛けるとよいでしょう!
作文セクションの攻略方法
最後に作文問題です!
私にとってこのセクションが一番の難関でした。どのような問題かというと、
- 10分間で1000字程度の長文を読む。この際、メモは一切取れません!!
- 10分後に、長文の書かれた用紙が回収される
- 先ほどの長文を400文字に要約し、35分間で直接解答用紙に書き上げる
どうですか?要約するにも、メモは禁止、10分後課題文は回収される。これは記憶力がないと解くことが難しいです。
解答用紙に要約を書き上げる際は、タイトルも忘れずつけましょう。自分の考えを述べるのではなく、あくまで問題資料の要約をすることが大切です。また、問題資料に難しい単語が使われていたとしても、自分なりに簡単に言い換えをして書ければ問題ありません。
私は、ペーパー試験を受けたので、漢字の書き間違い等にはとても気を付けていました。読めるし意味も理解できる、でも書けない!ではマズいので、私は試験日まで中国語で日記をつけるようにしました。
どのセッションにおいても言えますが、HSK6級では速読が必要なので、日ごろから中国語の文章に触れる機会を多く作るようにしていました。日本語でも同じですが、読めば読むほどスピードは上がります!
まとめ
HSK 6級は確かに難しい試験ですが、しっかり勉強すれば決して合格できない試験ではありません。私自身の結果を公表すると、、
题目 | 分数 |
听力(リスニング) | 72.0 |
阅读(読解) | 68.0 |
写作(作文) | 78.0 |
总分(合計) | 218.0 |
私は過去問を繰り返して問題を覚えるくらい解いていました。なぜこの解答を選ぶのか自分の中で答えられるようにすると、新しい問題に出会っても、自信をもって解答できるようになるのでは、と思います!こんな感じで、読解だけが7割に届かずでした。作文は苦手だった分、対策していたので8割近いスコアを出すことができました。
それでは、皆さんの健闘をお祈りします!!